何故普及しない?介護ロボットの課題

介護ロボットが普及しない理由はいくつかあります。もちろん、ロボットの値段が高額なことも理由の1つですが、それ以外の要素も少なくはありません。

例えば、生産工場などの現場では以前から産業用ロボットの普及が進んでいますが、介護現場では、介護士は介護者のトータルケアを求められるため、工場のように簡単には行かない現状があります。パワーアシストと呼ばれる装着ロボットを利用した場合は人を持ち抱える動作には有効的ですが、介護士が求められる仕事はそれ以外にもたくさんあるため、作業終了後、利用者は装着しているロボットを取り外して別の仕事に取り組まないといけません。工場のように標準化された作業を効率化するためには、産業用ロボットは有効的ですが、場合に応じて様々な対応が求められる介護の現場では、適切に利用さえすれば大きな力にはなりますが、やみくもに機械化をすれば良いというものではないのです。

介護現場の慢性的な人手不足も、普及が進まない理由の1つです。介護ロボットは、あくまで介護士の仕事をサポートする目的であるため、運用技術を習得する必要があります。0から運用技術を習得するため、まとまった研修時間が必要ですが、そのための時間を確保するのが困難な現場も少なくありません。

それ以外にも、普及の問題点はあります。介護関係者には、介護は人が行うものだという意識があり、介護現場の機械化を積極的には歓迎していない人も決して少なくはありません。ロボットのセミナーでも、介護現場側の人間ではなく経営側の人間の参加が多いのが実情です。

現状からしてまずは少しでも介護現場側の人間が時間を確保して介護ロボットを知ることが、普及させるための第一歩と呼べるかもしれません。

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